あんこ作りについて、
よくいただくご質問のひとつが、こちらです。
「小豆の渋切りは、必ずしないといけませんか?」
レシピによっては、
- 「渋切りをする」
- 「何度かゆでこぼす」
と書かれていて、
正直よく分からないと感じる方も多いと思います。
今回は、
渋切りとは何か、なぜ行うのか、必要かどうかを
分かりやすくお伝えします。
渋切りとは、どんな作業?
渋切りとは、
小豆をゆでて、出るゆで汁を捨てる作業のことです。
このときに捨てているのが、
小豆に含まれる 渋い成分(タンニン) です。

なぜ、渋切りをするのでしょうか?
理由は、渋みを和らげるためです
小豆には、ポリフェノールの一種である タンニン が多く含まれています。
この成分が多く残っていると、
舌に残る渋さを感じやすくなります。
渋切りを行うことで、
やさしく、食べやすい味のあんに仕上がります。

渋切りをしないと、どうなる?
渋切りをしない場合、
- 小豆の風味が強く出る
- やや渋味のある、個性的な味
になります。
中にはあえて渋切りを控え、渋を活かしたあんを作ることもあるようですね。
渋切りは「絶対」ではありません!
和菓子店や基本のレシピでは、多くの場合、渋切りを行います。
理由は、
- 食べやすい
- クセのない、きれいな味になる
からです。
ですが、家庭で食べるあんであれば、
- 渋味が少しあっても好き
- 小豆の力強い味が好み
という方もいらっしゃいます。
あん作りに、
「必ずこうしなければならない」という決まりはないと思っています。
基本の渋切り方法(鍋ゆでの場合)
STEP① 小豆をゆで始める
小豆と水を鍋に入れ、火にかけます。
途中でびっくり水を加えながら、30~40分ほどかけ、小豆を吸水させます

STEP② 沸騰したら、ゆで汁を捨てる
小豆が充分に膨らみ、吸水したら、火を止め、ザルにあけて、ゆで汁を捨てます。
これが「渋切り」です。

STEP③ 新しい水で、再びゆでる
鍋に小豆を戻し、新しい水を加えて、再びゆでます。
この後は小豆が柔らかくなるまで、ゆで進めます。

渋切りは何回すればいい?
一般的には、1回で十分です。
場合によっては(好みによっては)複数回行うこともあります。
実験レポ:渋切り無し(0回)、渋切り1回、渋切り5回で作り比べてみました
出来上がりを並べてみると、色が随分と異なります。
左から渋切り無し、渋切り1回、渋切り5回です

あんを作る前の生あんの状態でも、色の違いがはっきりとしています
上の画像の左が渋切り5回、右が渋切り1回、下の画像が渋切り無しです


味を比べると
- 渋切り0回→ワインのような芳醇な味。酒饅頭に合いそうです
- 渋切り1回→味のバランスが良い。どんな和菓子にでも合いそうです
- 渋切り5回→あっさりでみずみずしい味。見た目が薄紫色で美しく、求肥のような和菓子に合いそうです

まとめ
渋切りは、小豆の渋味を和らげるための作業。渋味を取り除くことで、すっきりとした甘みのある餡に仕上がります。
しかし、必ずしもしなければならない作業ではありません。
渋切りを行えば、和菓子に合う本来のあんの味に、渋切りを行わなければ、渋味のある芳醇な味わいになります。
あん作りで大切なのは、「正解」よりも「美味しいと感じる味」です。
ぜひ、いろいろと作り比べて、ご自身の好みに合ったあん作りを楽しんでくださいね。

