つぶあんの作り方|3つの工程と見極め方

つぶあん作りの工程は、大きく分けて3つあります。

① 吸水と渋切り ― 小豆をゆで戻す
② ゆでる ― 小豆を十分にやわらかくする
③ 練る ― 砂糖を加えて「あん」に仕上げる

つぶあんのレシピにはいろいろな作り方がありますが、基本となるのはこの3つの工程です。

そして、おいしく作るために大切なのは、レシピに書かれた時間だけを追うのではなく、それぞれの工程で小豆やあんの「状態」を見ること。

このレシピでは、作り方だけでなく、

「何を見るのか」
「どの状態になったら次へ進むのか」

も一緒にご紹介します。

つぶあん作りが初めての方は、作る前にこちらもどうぞ。


動画で見る、つぶあん作りの3工程

つぶあん作りで大切なのは、時間だけで判断するのではなく、小豆の状態をよく見ること。

吸水、ゆでる、練る。

それぞれの工程で小豆がどのように変化するのか、短い動画にまとめました。

もっと詳しく動画で学びたい方へ

あんこラボでは、つぶあん作りの3工程を詳しく解説した動画レシピをご用意しています。

小豆の吸水状態、ゆで加減、練り上がりのタイミングなど、文章や写真だけでは伝わりにくいポイントを、実際の映像で確認できます。

▶ 動画でわかる|初めてのつぶあん作り(note・有料)

材料(出来上がり約600g)

  • 小豆(乾燥):200g
  • 砂糖:220g(小豆の1.1倍)
  • 水:適量
  • 重曹:1g(計りが無い方は、指で3つまみ程度)

つぶあんにおすすめの小豆

店頭には「北海道産」「十勝産」「生産者限定」「大納言小豆」など、さまざまな種類の小豆が並んでいます。

基本のつぶあんは、どの小豆でも作ることができます。

初めて作る場合は、大納言以外の一般的な小豆がおすすめです。大納言は粒が大きいため、やわらかくなるまでにやや時間がかかります。


使用する道具

  • 鍋(幅20~22cm程度)
  • ザル
  • ボウル
  • ゴムベラ

鍋は丸底の「ぼうず鍋」がおすすめです。

丸い形状なのでゴムベラを鍋全体に動かしやすく、あんをまんべんなく加熱しながら練ることができます。

ぼうず鍋がない場合は、ご家庭にある鍋でも作れます。その場合も、鍋肌に沿わせて動かしやすいゴムベラを使うのがおすすめです。


作り方

調理時間:約2時間15分

① 吸水と渋切り|小豆をゆで戻す

目安:約30〜40分

小豆は乾物です。まずは乾燥している小豆に水分を吸わせ、ゆで戻します。

この工程で大切なのは、時間だけを見るのではなく、小豆・湯の温度・湯の色の3つを観察することです。

1.小豆を洗い、中火にかける

  1. 小豆を洗い、鍋に入れます
  2. 小豆の上3cm以上まで水を入れます
  3. 中火にかけ、沸騰させます
  4. 沸騰したら、そのまま5分ほど中火でゆでます

最初から弱火にすると湯の温度が上がりにくく、小豆の吸水も進みにくくなります。まずは中火から始めます。

中火で沸騰させ、5分キープ

2.びっくり水を入れる

沸騰から5分後、冷水(=びっくり水)を加えて湯の温度を60℃以下まで下げます。ここで大切なのは、「水を何ml入れるか」ではありません。

目的は、沸騰した湯の温度を60℃以下まで下げること。

鍋の大きさや湯の量によって必要な水の量は変わるので、湯の温度を基準にします。

  1. 冷水を加え、湯温を60℃以下に下げます
  2. すぐに湯を一部取り出します
  3. 再び沸騰させて5分ほどゆでます
  4. もう一度びっくり水を入れ、60℃以下まで下げます

びっくり水は2〜3回ほど行います。

びっくり水で60℃以下に下げます
びっくり水を入れたら、一部取り出します

3.小豆の変化を観察する

吸水が始まると、小豆の皮にシワが寄ります。

さらに水を吸うと小豆は大きく膨らみ、少しずつシワが伸びていきます。

十分に吸水すると、

・小豆が2倍以上に膨らむ
・シワがなくなる
・皮がピーンと張った状態になる

のが目安です。

途中で小豆をすくい、実際に状態を見てみましょう。

シワが寄った状態
しわが伸びた状態

4.湯の色も観察する

小豆だけでなく、湯の色にも吸水の進み具合が現れます。

最初は透明だった湯に、小豆から赤い色が出てきます。

やがて湯が濁り始めたら、吸水が進んできたサイン。

さらに濁りが強くなり、上から見たときに小豆が見えにくくなるくらいになったら、吸水終了が近づいている目安です。

小豆を見る。
湯の色を見る。

両方を観察すると、吸水の進み具合が分かりやすくなります。

5.吸水に合わせて火加減を調節する

吸水が進むにつれて、小豆は大きく膨らみます。

十分に水を吸った小豆には、割れ始めるものも出てきます。

そのため、最初は中火で始め、吸水が進んできたら小豆の状態を見ながら徐々に火を弱めます。

6.渋切りをする

小豆が十分に膨らみ、シワがなくなって皮が張った状態になったら、吸水終了です。

火を止めて渋切りをします。

  1. 小豆をザルにあけ、ゆで汁を捨てます
  2. 小豆と鍋を水で洗います
  3. 小豆を再び鍋に戻します
この工程で見るところ

✓ 小豆にシワが寄ったか
✓ シワがなくなり、皮が張ったか
✓ 湯が透明から赤くなり、濁ってきたか
✓ 吸水の進み具合に合わせて火加減を調節できているか

② ゆでる|小豆を十分にやわらかくする

吸水と渋切りが終わったら、小豆をやわらかくなるまでゆでます。

つぶあん作りで特に大切なのが、この工程です。

砂糖を加える前に、小豆を十分にやわらかくしておきます。

今回は時間を短縮するため、重曹を使ってゆでます。

1.小豆をゆでる

  1. 鍋に小豆を入れ、小豆の上3cmほどまで水を加えます
  2. 中火にかけます
  3. 沸騰したら重曹1gを加えます
  4. 少し火を弱め、フツフツと沸く程度の火加減で30分ほどゆでます
  5. 途中で湯が少なくなったら水を足し、小豆が常に湯の中にある状態を保ちます
重曹を加え、30分ほどゆでます
途中で湯を適宜足します

2.30分たったら「食べて」確認する

30分はあくまで目安です。ゆで上がったかどうかは、時間だけで決めません。

小豆を一粒取り出して指でつぶし、さらに実際に食べてみます。

確認するのは、

・豆の中まで十分にやわらかいか
・皮が口の中に残らないか

です。皮や豆に固さを感じる場合は、まだゆで上がっていません。

さらに5〜10分ゆでて、もう一度確認してください。

「30分ゆでたから次へ」ではなく、「十分やわらかくなったから次へ」。

この状態になってから、砂糖を加える工程へ進みます。

【この工程で見るところ】

✓ 指で簡単につぶれるか
✓ 豆の中までやわらかいか
✓ 食べたときに皮が口に残らないか

③ 練る|砂糖を加えて「あん」に仕上げる

十分にやわらかくなった小豆に砂糖を加え、つぶあんに仕上げます。

この工程では、温度を保ちながら、焦がさないようにしっかり練ることがポイントです。

1.ゆでた小豆の水を切る

  1. ボウルにザルをのせ、小豆をゆで汁ごとあけます
  2. 小豆を鍋に戻します
  3. ボウルの底に沈んだ小豆も鍋に戻します
ゆでた小豆をザルにあけます

2.砂糖を加えて中火で練る

砂糖を加え、中火にかけます。

砂糖が溶けると水分が出て、最初はゆるい状態になります。

ゴムベラを鍋全体に動かしながら、焦げないようにしっかり練っていきます。

「あんが焦げそう」と心配して火を弱くしすぎたり、鍋を火から離したりすると、あんの温度が下がってしまいます。

中火を保ち、ゴムベラをしっかり動かす。

そのためにも、ヘラを動かしやすい丸底のぼうず鍋が適しています。

砂糖を加えて
火にかけます
煮詰めます

3.用途に合った固さで火を止める

練る時間ではなく、あんの状態を見て火を止めます。

あんは冷めると、鍋の中にあるときよりも固くなります。

そのため、最終的にほしい固さよりも、少しやわらかい状態で火を止めます。

◎やわらかめのあん(どら焼きなど)
→ ゴムベラで混ぜたとき、一瞬鍋底が見えるくらい。

◎しっかりめのあん(大福・まんじゅう・おはぎなど)
→ ゴムベラですくうと、ぽってりと固まりになって落ちるくらい。

4.すぐに鍋から取り出して冷ます

好みの固さになったら火を止め、すぐにバットへ広げます。

濡れ布巾をかけて冷ましたら完成です。

ぽってりしたら火を止めます
バットにあけ
濡れ布巾をかけて、冷まします
【この工程で見るところ】

✓ 中火を保てているか
✓ 鍋全体をまんべんなく練れているか
✓ 作る和菓子に合った固さになっているか
✓ 冷めると固くなることを考えて、少しやわらかめで止められたか

つぶあん作りで一番大切なこと

つぶあん作りの3つの工程 ① 吸水と渋切り、② ゆでる、③ 練る

に共通しているのが、

「時間ではなく、状態を見る」こと。

①では、小豆のシワや膨らみ、湯の色を見る。

②では、小豆を触り、実際に食べてやわらかさを確かめる。

③では、あんの水分や固さを見ながら火を止める。

レシピに書かれた時間は、あくまで目安です。

小豆をよく見て、触って、食べて確かめながら作ってみてくださいね。

うまくいかなかったときは

「小豆の皮が固かった」

「冷めたらあんが固くなった」

「練っている途中で焦げてしまった」

そんなときは、失敗したと考えるのではなく、

①吸水と渋切り
②ゆでる
③練る

のどの工程に原因がありそうか、振り返ってみましょう。

保存方法・賞味期限

・冷蔵保存:5日以内
・冷凍保存:1か月以内

冷凍した場合は、冷蔵庫で解凍するのがおすすめです。


手作りの美味しいつぶあんならではの風味を、ぜひ楽しんでくださいね


動画で学ぶ、つぶあん作りの3工程