【実験】プロはなぜあん作りに銅鍋を使うのか?― アルミと銅のぼうず鍋でこしあんを作り比べてみました ―

あんを作るとき、どんな鍋を使っていますか?

私は底の丸い「ぼうず鍋」を使っています。
あんを炊くなら、ぜひぼうず鍋がおすすめですよ、とお客様にもお伝えしています。

ぼうず鍋には

  • アルミ製
  • 銅製

の2種類があります。

「どちらがよいですか?」とよく聞かれますが、
私は扱いやすさから 軽いアルミ製をおすすめしています。

一方で、プロの現場では銅のさわり鍋を使うことが多いです。

なぜ、銅鍋が好まれるのか?

銅鍋と言えば「熱効率の良さ」はお馴染みですが、実際に他の鍋と比べてその違いはどれほどか?

実際に、こしあんで作り比べてみました。


実験条件

  • 小豆:300g
  • 重曹不使用
  • アルミぼうず鍋/銅ぼうず鍋
  • 同じ工程・同じ分量

吸水・ゆで時間の違いは?

結果は――

  • 吸水時間:ほぼ同じ
  • ゆで時間:ほぼ同じ
  • 漉し作業:差は感じられない

素材の違いによる明確な差は見られませんでした。

ここまでは「ほぼ同じ」です。


違いが出たのは「練り」の工程

砂糖を加えて煮詰め、あんに仕上げる工程では
やや違いを感じました。

  • 銅鍋の方が、やや時間がかかる
  • その分、しっかり練る感覚がある

差は数分程度です。
タイマーで計測したわけではなく、
いつもあんを炊いている感覚での体感差です。

銅は熱伝導が良いので早く仕上がるかと思いましたが、
体感ではそうではありませんでした。

アルミのぼうず鍋で練っています
銅のぼうず鍋で練っています

鍋の形状の違いも関係?

形状にも違いがあります。

アルミぼうず鍋

  • 口が広い
  • 高さが低い
  • 軽い

銅ぼうず鍋(今回使用)

  • 口がやや狭い
  • 高さがある
  • 重い

この形状差や重量差が、
練りやすさや熱の回り方に影響している可能性もありますが、
明確な理由は分かりません。


色の違い

仕上がったこしあんの色に違いがありました。

  • アルミ鍋:やや薄い
  • 銅鍋:やや濃い

鍋の素材が小豆の色に影響しています。

これは、銅鍋を使うメリットとしてよく言われる「銅イオン」と小豆のアントシアニンの反応。
小豆色が美しく仕上がると言われますが、実際もそうでした。

作り比べるとよく分かりますね

左がアルミ鍋、右が銅鍋です

味の違い(驚きの結果)

一番驚いたのは、味の違いです。

  • アルミ鍋:すっきりした味(=あっさりめ)
  • 銅鍋:味を強く感じる(=濃いめ)

小豆の味と砂糖の甘さの感じ方に違いがありました。

銅鍋の銅イオンの効果か?

もしくは

アルミ鍋は酸やアルカリに弱く
小豆はアルカリ性のため、アルミが小豆の味に影響を与えているのかもしれません。


プロが使う「さわり鍋」について

プロが使う銅のさわり鍋は、

  • 口が広い
  • 高さが浅い
  • 練りやすい形状

になっています。

銅鍋であんを練るなら、
さわり鍋がおすすめです。

ただし、さわり鍋は豆をゆでる工程にはやや不向きです。

そのため、

  • ゆでは普通の鍋
  • 練りはさわり鍋

と使い分けるのが理想です。


まとめ

今回の実験では、次のような違いがありました。

アルミ
吸水・ゆでほぼ同じほぼ同じ
練り時間やや早いやや長い
やや薄いやや濃い
あっさり濃いめ
重さ軽い重い

どちらがおすすめ?

家庭で扱うなら、

軽くて扱いやすいアルミ製がおすすめです。

長時間練る場合や、しっかり練りたい場合
あるいは出来るだけプロの味に近づけたい方は、銅鍋も選択肢になります。

どちらが正解、というよりも、

仕上がりの違いを知ったうえで選ぶことが大切

だと感じました。

鍋が変わると、あんも少し変わる。

そんな発見も、あん作りの楽しさのひとつですね。