和菓子作りに欠かせない寒天の特徴と使い方をまとめました。
皆さまの和菓子作りのご参考になると幸いです!
寒天とは?
寒天は海藻(テングサやオゴノリ)から作られる天然の凝固剤。羊羹や水ようかん、錦玉羹、ゼリー、あんみつ寒天作りなどに使います。
鍋で煮溶かし、冷やすと固まります
特徴
- 常温で固まる(ゼラチンと異なり、冷蔵は不要。固まる温度は30℃以下)
- やや固めの食感に仕上がる(歯ごたえがあり、ゼラチンと比べ固いです)
- 砂糖を加えると透明感が出る(砂糖を入れない場合は白濁します)
種類
寒天は3種類(粉寒天、棒寒天、糸寒天)。一番よく使われるのが「粉寒天」ですが、和菓子では棒寒天や糸寒天もよく使います
種類 | 特徴 |
棒寒天(角寒天) | 形が棒状。原材料は主にテングサやオゴノリなど。水で戻してから、煮溶かします |
糸寒天 | 形が糸状。原材料は主にテングサやオゴノリなど。水で戻してから、煮溶かします |
粉寒天 | 粉状。原材料は海藻。そのまま使える。水に振り入れ、煮溶かします |
私は主に糸寒天を使っています
寒天の使い方
◎棒寒天、糸寒天の場合
1. 寒天を水で戻す:寒天を計量し、多めの水に6時間以上浸して、戻します





2. 鍋で煮溶かす:分量の水とともに火にかけ、完全に溶けるまで2~4分加熱します(時間は分量で変わります)





3. 漉す:ザルで寒天液を漉し、溶け残りを取り除きます

寒天液に砂糖やあんを加えて煮詰めると羊羹や水ようかんに、そのまま型に入れ冷やすとあんみつの寒天になります


◎粉寒天の場合
1. 煮溶かす:分量の水とともに火にかけ、完全に溶けるまで2~4分加熱します(時間は分量で変わります)


火を止めて、寒天液の出来上がり。濾す必要はありません
寒天の使い方の補足
実際に寒天を使う際に、さらに気を付けておきたいポイントを4つまとめました。
ポイント1:寒天を煮溶かす火加減は、中火~強火
寒天は溶けづらく、火にかけたら、火加減を中~強火にしてください。
寒天の溶ける温度は80℃前後。火加減をやや強めにしておかないと、完全に溶けてくれません。

ポイント2:煮溶かす際、アクは取らない
寒天を煮溶していると、アクのようなものが浮いてきます。ついついアクを取りたくなるのですが、取らないように!
これは寒天の成分。取り除いてしまうと、固まりません。

ポイント3:砂糖を加える時は、寒天が溶けてから
寒天に砂糖を加える時は、必ず寒天が煮溶けてから加えます。砂糖を加える前に、寒天が溶けているかどうかを確認してください。
寒天が溶ける前に砂糖を加えると、寒天はそれ以上溶けなくなります。

ポイント4:酸を加える場合は、火を止めてから
寒天は酸性に弱く、酸を加えると固まりにくくなります。
レモンや柑橘の果汁など酸を加えるのは、火を止めてから。寒天が固まる直前の45~50℃のあたりで加えます。

寒天の種類や特徴が分かると、寒天の和菓子作りが楽しくなりますよ。また基本が分かれば、あとは応用だけ。寒天はとても作りやすいです
寒天を使った和菓子のレシピは、今後レシピサイトでアップしていきますので、少々お待ちください~