【お悩みQA】小豆をゆでる際に重曹を入れるのはなぜですか?

皆さまからお寄せいただいた和菓子作りのご質問とその回答を公開しております。

今回のQAは「小豆をゆでる際になぜ重曹を入れるのか」です


つぶ・こしあん作りで小豆をゆでる際に少量の重曹を入れていますが、

なぜ重曹を入れるのか?

小豆をゆでるのに重曹を入れる理由とは?

理由は重曹を入れると、小豆の皮が早く柔らかくなるからです。

あんこラボ

重曹を入れると、小豆のゆで時間は約1/3に短縮します

では、なぜ重曹を入れると小豆の皮が柔らかくなるのでしょうか?

答えは重曹がアルカリ性だから

水に重曹を加えると、中性だった水がアルカリ性になります

小豆の皮は食物繊維が豊富。その食物繊維にはペクチンが多く含まれており、ペクチンがアルカリによって分解され、小豆の皮が柔らかくなるのです

あんこラボ

小豆の食物繊維はごぼうやさつまいもの2~3倍も入っているそうですよ。便秘改善にいいかも…

ペクチンと言えばジャム作りでおなじみ。ジャムには酸性のレモンの絞り汁などを加え、ゲル化させ、固めて、ジャムが出来上がります

水がアルカリ性になったかどうかを確認してみました

水に重曹を加えてアルカリ性になったかどうか、目視では確認できませんね。

そこでリトマス試験紙を使い、確認してみました。

あんこラボ

懐かしいリトマス試験紙。試験紙が青になればアルカリ性、赤になると酸性です

◎重曹を入れていない水にリトマス試験紙を入れると・・・

色は変化しませんでした。つまり中性です

◎重曹を入れた水にリトマス試験紙を入れると・・・

青色に変化。水がアルカリ性になりました

ベーキングパウダーは重曹の代わりになるのでしょうか?

重曹と同じような膨張剤にベーキングパウダーがあります。

ベーキングパウダーも重曹と同じように小豆の皮を柔らかくできるのでしょうか?

実験してみました。

結果、

ベーキングパウダーのリトマス試験紙は色変化せず。中性のまま。ベーキングパウダーでは小豆を柔らかくすることはできません


小豆の皮を柔らかくするのは重曹。少量を水に入れて、小豆をゆでると、劇的に皮が柔らかくなります。

ただし、入れ過ぎると豆の煮崩れや味に苦味が出てしまいます。少量入れるのがおすすめです


アルカリ性食品の代表といえば「梅干し」。小豆をゆでる際に梅干しを入れると、アルカリ効果で小豆が柔らかくなるのでしょうか・・・実験していませんが、今度試してみようと思います

<あん作りのレシピはこちらをご参考に>

つぶあんレシピ

つぶあんの会

こしあんレシピ