あんこ作りについて、
ときどきこんな質問をいただきます。
「小豆をゆでるときに、重曹を入れるといいと聞きました。
どうしてですか?」
今回は、
重曹を加える理由と、その効果について、
分かりやすくご紹介します。
重曹を入れる理由は「小豆の皮をやわらかくするため」
小豆は、皮が固い豆です。
そのため、
何も加えずにゆでると、
皮までしっかり柔らかくなるまでに、
どうしても時間がかかります。
ここで役立つのが、
**重曹(炭酸水素ナトリウム)**です。
ごく少量の重曹を加えることで、
小豆の皮が早くやわらかくなるという効果があります。
なぜ重曹でやわらかくなるのでしょうか?
理由は、
重曹がアルカリ性であることにあります。
- 水に重曹を加える
- → 水がアルカリ性になる
小豆の皮には、
ペクチンという食物繊維が多く含まれています。
このペクチンは、
アルカリ性の環境では分解されやすく、
その結果、皮がやわらかくなるのです。
※ ペクチンは、
ジャムを固める成分としてもおなじみですね。
実験してみました:リトマス試験紙で検証
実際に、
重曹を入れた湯がアルカリ性になっているかを、
リトマス試験紙で確認してみました。
実験結果
- 重曹を入れていない湯
→ リトマス試験紙は変化なし(=中性) - 重曹を入れた水
→ リトマス試験紙が青色に変化(=アルカリ性)
この結果から、
重曹を加えることで、水がアルカリ性になることが確認できました。


ベーキングパウダーでも同じ効果はある?
「ベーキングパウダーでも代用できるのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、
ベーキングパウダーを入れた水でも、
同じようにリトマス試験紙で試してみました。
結果は、
色の変化はなく、中性のままでした。
このことから、
小豆の皮をやわらかくする目的には、
重曹が有効だということが分かります。

注意点:入れすぎにはご注意ください
便利な重曹ですが、
入れすぎには注意が必要です。
重曹を多く入れると、
- 豆が煮崩れやすくなる
- 苦味が出ることがある
といった影響が出る場合があります。
目安としては、
**ほんの少量(0.5g程度)**で十分です。
まとめ
- 重曹は、小豆の皮をやわらかくする働きがある
- アルカリ性によって、ペクチンが分解されやすくなる
- ゆで時間を短縮したいときに役立つ
- 入れすぎには注意し、少量を使う
状況に応じて、
上手に取り入れてみてください。
💡 余談
アルカリ性食品といえば、
「梅干し」が思い浮かびますよね。
小豆をゆでるときに梅干しを入れると、
同じようにやわらかくなるのでしょうか?
まだ試したことはありませんが、
いつか実験してみたいテーマのひとつです。

