あんこを自分で作ってみたい。そう思って一度作ってみたけれど、
- 「小豆はどこまでやわらかく煮ればいいの?」
- 「砂糖を入れるタイミングはこれで合っている?」
- 「作ったときはよかったのに、冷めたら固くなってしまった」
そんな疑問を感じたことはありませんか
あんこ作りは、小豆・砂糖・水という、とてもシンプルな材料から始まります。作り方も、一見するとそれほど難しくありません。
けれど実際に作ってみると、レシピに書かれたことだけでは分からないことが、たくさん出てきます。
小豆は、その年の豆や保存状態、ゆでる量などによっても、やわらかくなるまでの時間が変わります。鍋や火加減によっても変わります。
だから、あんこラボがあん作りで大切にしているのは、
「時間ではなく、状態を見る」こと
- 小豆は十分にやわらかくなったかな
- 砂糖を入れたあと、あんはどう変化しているかな
- 火を止めるのは今かな。それとも、もう少しかな
そんなふうに豆やあんの変化を見ながら作れるようになると、レシピの数字だけに頼らず、自分で判断できることが少しずつ増えていきます。
このページでは、初めてあんこを作る方、一度作ってみたけれどうまくいかなかった方に向けて、
- 小豆のこと
- 小豆のゆで方
- 砂糖
- 作り方
- 練り上がり
- 失敗したときの原因
まで、あんこ作りの基本を順番にご紹介します。
でも、すべてを一度に覚える必要はありません。まずは、今知りたいところから始めてみてください。
一度作ったけれど、うまくいかなかった方
「固くなってしまった」「焦げてしまった」「思っていた仕上がりと違った」
そんなときは、失敗した結果だけでなく、途中の状態を振り返ってみると、原因が見えてくることがありますよ
あんことは?
あんことは、小豆などの豆をやわらかくゆで、砂糖を加えて作るもの。大福、どら焼き、饅頭、最中など、和菓子には欠かせない存在です。
「あんこ=小豆」というイメージがありますが、実はあんこに使われる豆は小豆だけではありません。
白いんげん豆などから作る「白あん」もあり、使う豆や作り方によって、さまざまな種類のあんこがあります。

つぶあん・こしあん・白あん、何が違うの?
代表的なあんこには、「つぶあん」「こしあん」「白あん」があります。

つぶあんは、小豆をやわらかくゆでて、豆の粒や皮を残したまま砂糖を加えて練り上げたもの。
小豆そのものの風味や食感を楽しめるあんこです。

こしあんは、やわらかくゆでた小豆を裏ごしして皮などを取り除き、なめらかに仕上げたものです。
つぶあんとは異なる口どけのよさが楽しめます。

白あんは、手亡豆(てぼうまめ)などの白い豆から作ります。
上品でクセの少ない味わいで、練り切りをはじめ、さまざまな和菓子に使われています。
あんこは家でも作れる?
もちろん、あんこは家庭でも作ることができます。
基本のつぶあんなら、用意する材料は小豆、砂糖、水、(重曹)。
そして時間はおおよそ2時間30分。道具は鍋やヘラ、ザルがあればOKです。

ところが、実際に作ってみると、
- 「小豆はどこまでやわらかく煮ればいいの?」
- 「砂糖はいつ入れるの?」
- 「どのくらいの固さになったら火を止めるの?」
など、レシピを読んだだけでは分かりにくいことが出てきます。そして、このちょっとした見極めが、あんこの仕上がりを左右します。
あんこ作りで大切なのは、レシピ通りの時間だけを目安にするのではなく、小豆の状態を見ながら作ること。
小豆がどのように変化していくのかが分かるようになると、あんこ作りはぐっと楽しくなりますよ。
まずは、基本のつぶあんから作ってみましょう。

おいしいあんこ作りの基本
あんこ作りの材料はとてもシンプルです。基本のつぶあんなら、主な材料は小豆、砂糖と水(重曹)。
だからこそ、小豆をどのようにゆでるか、砂糖をいつ、どのくらい加えるかによって、仕上がりが変わります。
まずはレシピを見る前に、あんこ作りで知っておきたい基本を押さえておきましょう。
①小豆は水に浸けなくてもいいの?

豆は乾物。まずは豆を吸水させる必要があります。
大豆やいんげん豆などはゆでる前に、一晩水に浸けています。
でも、小豆は基本的に事前に水に浸けず、そのままゆで始めます。
それはなぜか?
あんこラボでは、小豆やいんげん豆、大豆を実際に水に浸け、時間とともにどのように吸水していくのかを比較してみました。

②「渋切り」って何?
あんこの作り方を調べていると、「渋切り」という言葉を目にすることがあります。
渋切りとは、小豆を煮始め、一度ゆで汁を捨てて、新しい水に替える工程のことです。

小豆の渋味やアクを取り除き、すっきりとした風味のあんこに仕上げるために行います。
ただし、「何回渋切りをすればいいの?」「そもそも渋切りは必要なの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
渋切りの回数や方法によって、あんこの味はどのように変わるのでしょうか。実験レポをご参考に!

③小豆をやわらかくゆでることが大切
あんこ作りでとても大切なのが、砂糖を加える前に、小豆を十分にやわらかくゆでることです。
まだ豆が固いうちに砂糖を加えてしまうと、その後いくら煮ても小豆がやわらかくなりにくく、皮の固いあんこに仕上がってしまうことがあります。
「何分煮れば大丈夫」と時間だけで判断するのではなく、実際に小豆のやわらかさを確認してから、次の工程へ進みましょう。
小豆をやわらかくゆでるために「重曹を入れる」という方法もあります。
重曹にはどのような働きがあるのでしょうか。

④砂糖はいつ入れる?
小豆が十分にやわらかくなってから、砂糖を加えます。
ここで大切なのは、小豆がやわらかくなる前に砂糖を入れないこと。
また、あんこ作りでは、砂糖は単に甘くするためだけのものではありません。
砂糖の量や種類によって、甘さはもちろん、あんこの風味や仕上がりも変わります。
- 「小豆に対して、砂糖はどのくらい入れればいいの?」
- 「上白糖とグラニュー糖では何が違うの?」
そんな疑問については、こちらで詳しくご紹介しています。


ここまで分かれば、あんこ作りの準備はできました。
次は、実際につぶあん・こしあんを作ってみましょう!
あんこを作ってみよう!
初めてあんこを作るなら、まずは「つぶあん」がおすすめです。
つぶあん作りを通して、小豆がやわらかくなっていく様子や、砂糖を加えたあとの変化、あんこが少しずつ練り上がっていく状態を見ることができます。
基本のつぶあん
つぶあんは、やわらかく煮た小豆に砂糖を加え、豆の粒や皮を残したまま練り上げて作ります。
材料や作り方はシンプルですが、「小豆はどこまでやわらかく煮る?」「砂糖を加えたあとは、どのくらい煮る?」「どのくらいの固さになったら火を止める?」
など、実際に作ってみると迷うところが出てきます。
初めての方でも作っていただけるよう、基本のつぶあんのレシピと作り方をご紹介しています。

続いて、こしあん
こしあんはやわらかくゆでた小豆を裏ごしして皮を取り除き、「生あん」にしてから、砂糖を加えて練り上げて作ります。
こしあん作りは豆をゆでてから、裏ごし→水さらし→生あんの水分の切り方→砂糖を加えてからの練り上げなど、つぶあんに比べて、工程がやや多くなります。
それぞれの工程をきちんと知りたい方のために、詳しい作り方を有料レシピとしてご用意しています。

白あん
白あんは、白いんげん豆(手亡豆)や白小豆などの白い豆から作るあんです。
基本的な考え方はこしあんと似ていますが、使う豆によってゆで方や扱い方に違いがあります。
クセが少なく、豆のやさしい風味を持つ白あんは、そのまま使うだけでなく、練り切りなど、さまざまな和菓子の材料としても使われています。
白あんについても、豆のゆで方から生あん作り、砂糖を加えて練り上げるところまで、詳しい作り方を有料レシピでご紹介しています。
→ 白あんの詳しい作り方は只今制作中。少々お待ちくださいませ
あんこの世界は、つぶあん、こしあん、白あんへと広がっていきます。
でも、どのあんを作る時にも大切なのは、レシピに書かれた時間だけではなく、豆やあんの状態を見ながら作ることです。
では、あんこはどのくらいまで練ればよいのでしょうか。
次は、あんこをおいしく仕上げるためのコツについて見ていきましょう!
あんこを練り上げて美味しく仕上げるコツ
あんこを作っていて、意外と迷うのが「いつ火を止めればいいの?」ということ。
レシピに書かれた時間通りに作ったのに、やわらかすぎたり、反対に固くなってしまったり……。
実は、あんこの仕上がりは、加熱時間だけで決めることができません。
小豆の状態や火加減、鍋の大きさ、作る量などによって、水分の減り方は変わります。
大切なのは、時間だけを目安にするのではなく、あんこの状態を見ながら仕上げることです。

あんこは「少しやわらかいかな?」で火を止める
あんこは、砂糖を加えてから加熱していくと、少しずつ水分が減り、固くなっていきます。
ここで「ちょうどいい固さになるまで」と思って練り続けてしまうと、冷めたときに思った以上に固くなってしまうことがあります。
あんこは冷めると、温かいときよりも固くなります。
そのため、火を止めるときは、完成したときにほしい固さよりも少しやわらかい状態を目安にします。
「まだ少しやわらかいかな?」と思うくらいで火を止めることも、おいしく仕上げるための大切なポイントです。

作る和菓子によって、あんこの固さは変わります
「あんこのちょうどいい固さ」は、一つではありません。
例えば、
ぜんざいに使うあんと、大福の中に包むあんでは、適した固さが違います。
大福や饅頭のように生地で包む場合は、包みやすい固さが必要です。
どら焼きに使う場合、最中に使う場合など、作る和菓子によっても、あんこの水分量や練り上がりを調整します。
つまり、あんこ作りでは
「何分練るか」ではなく、「何に使うあんなのか」を考えて仕上げること
も大切です。
レシピの数字だけでは分からないこと
あんこ作りでは、材料の分量や加熱時間を知ることももちろん大切です。
でも、
「小豆が十分にやわらかくなった状態」
「砂糖を加えたあとの変化」
「火を止める直前のあんこの固さ」
などは、数字だけではなかなか表しきれません。
何度か作りながら、豆やあんの状態を見ていくことで、少しずつ「このくらい」という感覚が分かるようになります。
一度あんこを作ってうまくいかなかった方も、失敗したのではなく、まずは「どの工程で仕上がりが変わったのか」を振り返ってみましょう。
次は、あんこ作りでよくある「困った!」から、その原因を探してみます。
あんこ作りの『困った!』から原因を探す
あんこを作ってみたけれど、
「思ったより固くなってしまった」
「鍋底を焦がしてしまった」
「こしあんに白い粒が残ってしまった」
など、「レシピ通りに作ったはずなのに、なぜ?」と思ったことはありませんか?
あんこ作りがうまくいかなかったときは、作り方すべてが間違っていたとは限りません。
小豆のゆで方、砂糖を加えるタイミング、火加減、練り上がりなど、どこか一つの工程を見直すだけで、次はもっと作りやすくなることがあります。
「何がいけなかったんだろう?」と思ったら、まずは原因を一つずつ探してみましょう。
つぶあんが固くなってしまった!
つぶあんを作ってみたら、小豆の皮が固い。豆が締まっているように感じる。
そんなときに、まず振り返ってほしいのが、砂糖を加える前の小豆のやわらかさです。
小豆が十分にやわらかくなる前に砂糖を加えてしまうと、その後煮続けても豆がやわらかくなりにくくなります。
また、作った直後はちょうどよかったのに、冷めたらあん全体が固くなったという場合は、練り上げすぎている可能性もあります。
同じ「固い」でも、原因は一つとは限りません。

あんこを焦がしてしまった
あんこは、砂糖を加えて水分が少なくなってくると、だんだん焦げやすくなります。
特に練り上がりに近づくほど、鍋底の状態には注意が必要です。
火加減だけでなく、使う鍋や混ぜ方によっても焦げやすさは変わります。
「弱火にしていたのに焦げた」という場合も、火の強さだけが原因とは限りません。
焦げやすくなるタイミングを知っておくと、落ち着いてあんを練ることができます。

こしあんに白い粒が残ってしまった
こしあんを裏ごしていると、あんの中に白い粒が見えることがあります。
「小豆の芯が残ったのかな?」
と心配になるかもしれません。
この白い粒が何なのかを知ると、こしあん作りの工程も、より理解しやすくなります。

うまくいかなかったところに、上達のヒントがあります!
あんこ作りは、材料も工程もシンプルです。
だからこそ、ちょっとした違いが仕上がりに表れます。
一度作って「なんだかうまくいかなかった」という経験は、次に作るときの大切な手がかりになります。
時間だけではなく、状態を見る。
そして、うまくいかなかったときには、
「どの工程で、どんな状態だったのか」を振り返ってみる。
それを繰り返していくことで、少しずつ自分で判断しながら、あんこを作れるようになっていきます。
あんこ作りをもっと深く知りたい・習いたい方へ
あんこ作りには、「なぜだろう?」と思うことがたくさんあります。
- なぜ小豆は水に浸けなくてもよいのでしょうか?
- 渋切りをすると、味はどのくらい変わるのでしょうか?
- 重曹を入れる場合と入れない場合では、小豆の煮え方に違いはあるのでしょうか?
- 砂糖の種類を変えると、あんこの味や色、やわらかさはどう変わるのでしょう?
など。
あんこラボでは、こうした疑問を、実際に作り比べたり、観察したりしながら確かめています。
あんこラボで実験してみました
「一般的にそう言われているから」だけではなく、実際にやってみるとどうなるのか。
条件を変えて作り比べてみると、あんこ作りの「なぜ?」が少しずつ見えてきます。
①小豆は本当に水に浸けなくていい?
小豆などの豆を水に浸け、時間とともにどのように吸水するのかを比較しました。

②重曹を入れると、小豆はどう変わる?
重曹を入れた場合と入れない場合で、小豆の煮え方や仕上がりを比較しました。


③砂糖を変えると、つぶあんはどう変わる?
種類の異なる4つの砂糖を使って、同じ条件でつぶあんを作り、味や色、仕上がりの違いを比べました。

④つぶあんが固く仕上がるのはなぜ?
お寄せいただくあん作りのお悩みNo.1。出来上がったつぶあんが固い・・・その理由と対策をまとめました。

あんこ作りの基本が分かってきたら、ぜひこうした実験・検証も覗いてみてください。
「なぜ、この工程が必要なのか」が分かると、レシピに書かれた手順をただ追うだけではなく、自分で考えながらあんこを作れるようになっていきますよ。
実際のあんこの「状態」を見ながら学びたい方へ
ここまで、あんこ作りの基本や、おいしく仕上げるためのポイントをご紹介してきました。
でも、文章や写真では伝えきれないこともあります。
- 小豆を指でつぶしたときのやわらかさ
- 砂糖を加えたあとのあんこの変化
- 鍋の中で水分が少なくなっていく様子
- そして、火を止めるときのあんこの固さ
こうした「状態」は、実際に見て、触れて、作ってみることで、より分かりやすくなります。
あんこラボ和菓子教室では、レシピ通りに作ることだけではなく、
「なぜ、この工程をするのか」
「今、あんはどんな状態なのか」
を一緒に確認しながらレッスンを行っています。
- 一度あんこを作ってみたけれど、これで合っているのか分からなかった方
- 自己流で作ってきたけれど、一度きちんと基本を知りたい方
- 自分であんこの状態を見ながら、判断できるようになりたい方
そんな方は、実際のあんこ作りを一緒に体験してみませんか。
→ あん作りを体系的に学びたい方へ|小豆あん作り完全マスター講座
あんこ作りは、材料も工程もとてもシンプルです。
でも、そのシンプルな工程の中には、小豆の変化を見たり、触れたり、香りを感じたりする楽しさがあります。
時間だけではなく、状態を見る
少しずつ豆の変化が分かるようになると、あんこ作りはもっと楽しくなります。
まずは一度、自分の手であんこを炊いてみましょう!


