つぶあんを自分で作ってみようと思ってレシピを探すと、いろいろな作り方が出てきます。
「小豆は水に浸ける? 浸けない?」
「渋切りは何回する?」
「砂糖は一度に入れる? 分けて入れる?」
「どのくらい煮ればいい?」
レシピによって書いてあることが異なり、「いったい、どの作り方が正しいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実際に、あんこラボのレッスンにいらっしゃる方からも、よく聞くお悩みです。
でも、つぶあん作りを難しく考える必要はありません。
いろいろなレシピがありますが、つぶあん作りの基本は、大きく分けると次の3つの工程です。
① 吸水と渋切り
② ゆでる
③ 練る
まずは、この3つを知るところから始めてみましょう。
つぶあんとは?
つぶあんは、小豆の粒や皮を残したまま仕上げるあんこです。
小豆の風味をしっかり感じられ、豆の粒や皮の食感も楽しめるのが特徴です。
どら焼き、大福、おはぎ、最中など、さまざまな和菓子に使われています。
材料は基本的に、小豆・砂糖・水。
シンプルだからこそ、小豆のゆで方や砂糖を入れるタイミング、最後の練り上げ方によって仕上がりが変わります。

つぶあん作りは「3つの工程」で考える
つぶあんのレシピを見ると、たくさんの工程があるように感じるかもしれません。
でも、大きく分けて考えると、やっていることはとてもシンプルです。
① 吸水と渋切り ― 乾燥した小豆をゆで戻す
小豆は乾物です。
最初の工程では、乾燥した小豆に水分を吸わせて戻していきます。
このとき大切なのが、小豆と湯の変化をよく観察すること。
小豆は吸水が始まるとシワが寄り、さらに吸水が進むと大きく膨らみます。そして十分に吸水するとシワがなくなり、皮がピーンと張った状態になります。
湯にも変化が現れます。
最初は透明だった湯に小豆から赤い色が出て、やがて濁り始めます。さらに吸水が進むと、上から小豆が見えにくくなるほど濁ってきます。
つまり、
小豆を見ること。
湯を見ること。
この2つから、吸水がどのくらい進んでいるかを判断できます。
また、途中で「びっくり水」を入れますが、決まった量の水を入れることが目的ではありません。
大切なのは、沸騰した湯の温度を下げること。
鍋の大きさや湯の量が変われば、必要な水の量も変わります。
「水を○ml入れる」と覚えるより、「何のために水を入れるのか」を知っておくと、鍋や小豆の量が変わっても対応できるようになりますよ。
吸水が進むまではある程度の温度が必要なので、中火から始めます。吸水が進んで小豆が膨らんでくると、割れる豆も出てくるため、様子を見ながら少しずつ火加減を弱めていきます。
吸水の工程で一番大切なのは「観察すること」です。

② ゆでる ― 小豆を十分やわらかくする
吸水と渋切りが終わったら、小豆を十分にやわらかくなるまでゆでます。
ここは、つぶあん作りの仕上がりを大きく左右する大切な工程です。
特に重要なのは、砂糖を加える前に、小豆を十分にやわらかくしておくこと。
「○分ゆでたから大丈夫」と時間だけで判断せず、小豆そのものを確認します。
指でつぶしてやわらかさを見るだけでなく、実際に食べてみましょう。
豆の中までやわらかくなっているか。
皮が口に残らないか。
自分の目、指、そして舌で確認します。
時間を短縮したい場合には、重曹を使って小豆をやわらかくする方法がおすすめです。



③ 練る ― 砂糖を加えて「あん」にする
小豆が十分やわらかくなったら、砂糖を加えて「あん」に仕上げていきます。
この工程では火加減だけでなく、道具選びも大切です。
あんこラボでは、あんを練るときに丸底の「ぼうず鍋」をおすすめしています。
丸い形をしているためヘラを動かしやすく、鍋全体をまんべんなく混ぜることができます。
ヘラは、鍋肌に沿わせて動かしやすいゴムベラがおすすめです。
「あんが焦げそう」と心配になって火を弱くしすぎたり、鍋を火から離したりすると、あんの温度も下がってしまいます。
焦げないようにしっかり混ぜながら、必要な温度を保って練る。
そして最後は、
「何分練ったか」ではなく、あんがどんな状態になったか
を見て火を止めます。





3つの工程に共通しているのは「状態を見る」こと
こうして3つに分けてみると、すべてに共通していることがあります。
① 吸水では、小豆と湯の変化を見る。
② ゆでるでは、小豆のやわらかさを見る・食べて確かめる。
③ 練るでは、あんの状態を見ながら仕上げる。
つぶあん作りでは、レシピに書かれた時間や数字も大切です。
でも、それだけではいつも同じように仕上がるとは限りません。
時間ではなく、状態を見る。
そのために、小豆をよく見て、触って、ときには食べて確かめる。
これが、あんこラボで大切にしているつぶあん作りの基本です。
まずは、つぶあんを作ってみましょう
3つの工程が分かったら、実際につぶあんを作ってみましょう。
作ってみると、
- 小豆が水を吸っていく様子
- やわらかくなっていく様子
- 砂糖を加えたあとの変化
- 水分が減ってあんこになっていく様子
それぞれの「状態」が少しずつ見えてきます。
最初から完璧に作る必要はありません。
まずは基本のレシピで、一度自分の手でつぶあんを炊いてみませんか。

そして、
「思ったより固くなった」
「小豆の皮が固かった」
「途中で焦がしてしまった」
ということがあれば、それも次に上達するための大切なヒントです。

