コーヒーとあんこ・和菓子を合わせてみたら、どうなるだろう?
そんな疑問から企画したのが『コーヒーとあんこのワークショップ』。ゴールデンウィーク中の5月3・4日に開催しました。お越しいただきました皆さま、本当にありがとうございました。
結論は、コーヒーと和菓子は合います。
しかし、単純に合わせるとコーヒーの強さに和菓子が負けます。お互いのよさを消さないようにするためには、やはりひと手間が必要です。
また、合わせ方として「コーヒーに合う和菓子を探すのか?」あるいは「和菓子に合うコーヒーを探すのか?」という問題があります。こちらに関しては、星の数ほどありそうなコーヒーの中から和菓子に合うものを選ぶよりも、コーヒーに合う和菓子を探す方が容易です。
そして和菓子は、もち菓子や蒸し菓子、流し菓子、生菓子よりも、焼き菓子の方が断然合います。
ということで、今回のワークショップでは次のようなコーヒーと和菓子の組み合わせをご提案しました。ぜひコーヒーとあんこ・和菓子のおいしい関係をお探しの方、ご参考にしていただけますと幸いです。
1. やや酸味のあるコーヒーには、レモンピールを入れた桃山
1つ目のコーヒーは、やや酸味があり軽やかいな味わいのコーヒーをセレクト。スターバックスのウィローブレンド(Willow Brend)です。その最大の特徴は「酸味」。シトラスのような爽やかさがあります。ただし、ウィローブレンドをストレートで飲むと、その酸味がやや強く感じられることも。
そこで合わせるフードのポイントとなるのが「酸味」。コーヒーの酸味に対して、フードにも酸味を効かせることで、中和作用が働き、マイルドな口当たりへと変化します。相乗効果ですね。和菓子にも、コーヒーと同じ柑橘系の酸味を加えてみました。
焼き菓子「桃山」のレモンピール入りです。
桃山は、白あんに卵黄と寒梅粉またはみじん粉を混ぜて、オーブンで焼き上げます。生地はしっとりとして、白あんの美味しさを存分に味わうことのできる和菓子の一つです。
基本の配合は、白あん10に対して、卵黄が1、粉(寒梅粉またはみじん粉)0.5。これら3つの材料を混ぜ合わせ、冷蔵庫で1時間以上寝かせた後、オーブン200度で10分程焼くと出来上がります。比較的簡単に出来ますので、ぜひお試しください。
2. 香ばしく口当たり滑らかなコーヒーには、シナモン入りのどらやき(ただし餡は黒糖つぶあん)
2つ目のコーヒーは、マイルドでバランスのとれたコーヒーをセレクト。スターバックスのパイクプレイスロースト(Pike Place Roast)です。香りはナッツのような香ばしさ。酸味はやや少なめ。特徴は飲んだ後に、舌に感じるピリピリとした刺激です。
そして、合わせるフードのポイントは「スパイス」。コーヒーのピリピリとした刺激には、スパイスを合わせるのが一番。コーヒーの刺激を中和してくれます。今回の和菓子には、シナモン(和菓子では、ニッキと呼ばれますが)」を合わせてみました。ニッキは和菓子の中で最もよく使われるスパイスです。
シナモンどらやき(黒糖つぶあん入り)です。
皮に入れるシナモンの量はごくわずか。あまり入れ過ぎると刺激が強くなりすぎます。薄力粉50gに対して1gも入れれば充分です。
中のあんは黒糖入りのつぶあん。ノーマルなつぶあんでは、ややシナモンに負けてしまいます。それをカバーするためにも黒糖のコクが必要でした。
3. 日本茶に合うあんこを使った洋菓子「あんバターサンド」もご提案
コーヒーと和菓子を組み合わせたように、日本茶に合う洋菓子もあるだろう、と考えたのが、「あんバターサンド」。
サブレにバタークリームとつぶあんを挟んでいただきます。こちらの洋菓子を考案したのは、焼き菓子教室dorenavant(ドレナバン)の遠藤潤子さん。今回のコーヒーのセレクトも担当しています。
バタークリームは作りたて。ふんわりとした滑らかさに軽さが加わり、従来のバタークリームへのイメージを覆す美味しさ。そこにやや塩気を加えたつぶあんが合わさると、それはそれは美味しい組み合わせになります。やや渋い日本茶がとてもよく合います。
4. まとめると・・・
コーヒーと和菓子・あんこを組み合わせるには、コーヒーの特徴に合わせて、和菓子にひと手間を加えてあげることがポイント。今回は、レモンピールとスパイスを加えましたが、その他にも、ナッツやチョコレート、リンゴ、チーズ、ハーブなどの選択肢もあります。ひと手間の方法も、生地に加える、餡に混ぜる、トッピングするなど、考えるといろいろと出てきますね。
これからも、コーヒーに合う和菓子やあんこを追求していきたいと思います。
ぜひ「こんな組み合わせが合うよ」とか「こうして食べると美味しかったー」などのアイデア・ご意見ありましたら、教えていただけますと幸いです!あんこ・和菓子の美味しさがさらに広がるチャンスですから。
最後に、ワークショップ前日にお菓子の仕込みをお手伝いいただきました皆様、本当にありがとうございました。すべて美味しく出来上がりました!感謝、感謝。