【イベントレポ】伝わったお菓子

全国から和菓子を取り寄せ、みなさんと一緒に食べて学んで楽しむ会の第2弾「伝わったお菓子」を開催しました。

お菓子は文化。

文化が人や物の移動に伴い伝播するように、

お菓子も各地へ伝わり、その地で郷土菓子として作り受け継がれてきました。

日本がお菓子大国になったのも、海外から菓子や材料の伝来があったからこそ。

今回は海外から伝わったお菓子 および 日本国内で伝わったお菓子の中から、6種類をピックアップ。

皆さまにご紹介させていただきました。

お菓子はお取り寄せも可能です。ぜひ機会があったら食べてみてください。

6種類のお菓子をご紹介

①長崎・ざぼん漬

◎ザボン漬けとは?

大きな柑橘「ざぼん」の皮を砂糖漬けにしたもの。長崎や大分、鹿児島、高知県などの郷土菓子です。

(地域によって、ざぼん、ぼんたん、晩白柚 など名前や品種が変わります)

ざぼん漬け自体はとても甘く、柑橘の酸味はありません。渋い or 苦いお茶と一緒に食べるとさらに美味しいです

◎どこから伝わったか?

中国から日本へ、江戸時代に伝わりました。

中国の通商船が日本近海で遭難。助けた鹿児島の漁師に、船長の謝文旦(シャブンダン)が積荷のザボンをお礼に渡し、砂糖漬けの製法も伝えたそうです。

それからざぼんの栽培が始まり、砂糖漬けも行われるようになりました。

◎お取り寄せ先

長崎・カステラ窯元文旦堂さんのざぼん漬けです。東京・日本橋の長崎アンテナショップで購入しました

文旦堂さんのウェブサイト


②長崎・一口香(いっこうこう)

◎一口香とは?

長崎や佐賀県の郷土菓子。中が空洞の不思議な焼き菓子です。

食感を説明することは難しく、とにかく一度食べることをおすすめします

名前の由来は、ひと口食べると香ばしいことから「一口香」と名付けられました。

◎どこから伝わったか?

中国から伝わり、江戸時代に長崎で作られるようになりました。

中国では空心餅などと呼ばれていたとか。

◎お取り寄せ先

長崎の茂木一まる香本家さんの一口香です。東京・日本橋の長崎アンテナショップで購入しました

茂木一まる香本家さんのウェブサイト


③高麗餅(これもち)

◎高麗餅とは?

鹿児島などの郷土菓子です。

鹿児島だけでなく、全国的に作られ、高麗餅よりも「村雨」の名前でご存じの方も多いかと思います。

あんに粉を加え蒸した、ホロホロ食感の蒸し菓子です。

◎どこから伝わったか?

名前に「高麗」とあるように、朝鮮から伝来。

豊臣秀吉が朝鮮出兵時に、連れ帰った陶工の人々が伝えたと言われています。

◎お取り寄せ先

東京・銀座の萬年堂さんの銘菓「御目出糖」を購入しました

御目出糖は、少し温めてから食べるとさらに美味しくなりますよ

銀座・萬年堂さんのウェブサイト


④青森・くじら餅

◎くじら餅とは?

青森や山形の郷土菓子、あんにもち米や米粉を混ぜ、蒸したもの。

むっちりとした食感が美味しく、甘さ控えめです。

◎どこから伝わったか?

京都のくじら餅(黒白2色のおもち)が発祥。江戸時代の北前船で京都から東北へ伝わりました。

北前船と言えば、江戸時代~明治初期に蝦夷(北海道)から大阪へ物資を輸送した船。

大阪の米や雑貨を日本海側の各地へ運び、帰りに北海道の昆布やニシンを積み、北陸や大阪へ運んだかつての物流の大動脈の一つ。

北前船に乗って、京都のくじら餅が東北へ伝わり、現在も青森・鯵ヶ沢や山形・新庄で作られています。

◎お取り寄せ先

青森・浅虫温泉の永井久慈良餅さんの久慈良餅をご紹介しました。

甘さ控えめの餡ベースのもちに、くるみ入り。とても美味しく、皆さまの評判も上々でした。

永井久慈良餅さんのウェブサイト

東京・飯田橋の青森アンテナショップでも購入できます


⑤富山・昆布豆腐

◎昆布豆腐とは?

日本一の昆布好き県、富山。

富山で見つけた、洋風和菓子の「昆布豆腐」です。

ふんわりスフレのような豆乳入りの生地に、昆布入りの寒天ゼリーが挟まれたもの。

柔らかな食感が美味しい一品です。

◎なぜ富山は昆布好き県なのか?

かつての北前船で昆布が運ばれ、富山の食文化に浸透。

ゆえに昆布締めや昆布巻き、昆布のかまぼこなど、数々の昆布料理があります。

お菓子にも昆布を使うとは、非常に面白いアイデアですね。

◎お取り寄せ先

昆布豆腐は、梨の菓 瀧味堂(りのか たきみどう)さんのお菓子

お取り寄せ可能です

梨の菓 瀧味堂さんのウェブサイト


⑥沖縄・大東羊羹(黒糖)

◎大東羊羹(黒糖)とは?

南大東島の銘菓、赤えんどう豆の羊羹で黒糖味です。

羊羹と言えば小豆が一般的ですが、赤えんどう豆の羊羹は珍しいです。

味は、コクもあるけどすっきり甘さ。食べる毎にじんわり美味しさが浸透。ぜひもう一度食べたいですね。

ところで、南大東島は沖縄本島からも360km離れた絶海の孤島。なぜ羊羹があるのでしょうか?

◎どこから伝わったか?

大東島の羊羹は、東京・八丈島から伝わりました。

そもそも島の最初の開拓は、1900年の八丈島出身の玉置半右衛門さん、

その後も八丈島出身者によって行われたそうです。

八丈島でお祝いの席には羊羹を食べる習慣があり、それが大東島にも伝わって、現在の大東羊羹につながっています。

八丈島から東大東島まで、1,000km以上離れた場所で、食文化の伝播があったのは非常に面白いですね。

◎お取り寄せ先

今回は沖縄の黒糖屋さんからお取り寄せしました。

黒糖屋さんのウェブサイト

沖縄の空港やお土産物屋さんでも購入できます。

沖縄のお土産に大東羊羹おすすめです