【和菓子歳時記】初夏の和菓子、若鮎について

そろそろ和菓子屋さんの店頭に並び始めましたね、若鮎(わかあゆ)。鮎の形をした、初夏を代表する和菓子の一つです。

あんこラボでも6月にレッスンがあります。去年も作ってました。しかし、そもそも何で鮎の形しているのか、とか、発祥の地などよく知らずに作っていました。

いわれをよく知らずに作る和菓子、結構多いんですよね。が、今年は調べます!調べて、皆さまにもシェアさせていただきます。知らないで作るのと、知ってから作るのでは、満足度も変わります。

ということで、本日は若鮎についてご紹介します!

毎月の和菓子も、和菓子歳時記としてなるべくご紹介していきますねーDon’t miss it.

 


若鮎の発祥の地は?

最近では、都内の和菓子屋さんでも頻繁に見かけますが、私が子供の頃は見た記憶がありません。

京都から来たものだと言われていますが、一方で名古屋とか岐阜などの説もあり、発祥の地は不明です。

いずれにせよ、清流を泳ぐ鮎の姿に親しみを込め、若鮎が作られるようになったのでしょうね。京都なら鴨川、岐阜なら長良川など。


若鮎はいつ頃から作られているの?

近代と言われています。若鮎の生地は、正式には「調布」と呼ばれ、この調布については、江戸時代の菓子製造法の本に記述がなかったそうです。

※調布とは
お菓子の調布は、小麦粉、卵、砂糖を混ぜて焼いた皮に求肥を包んで巻いたもの。上部に「調布」の焼印入りも見かけます。

本来の調布は、税として納めた布のこと(租庸調の調です。おー懐かし、律令制の租税制度。日本史で習った記憶あります)。お菓子の調布がその布の形に似ているところから名付けられたそうです。

東京・調布市も、じつは調の布にちなんでおり、多摩川で晒した布を納めたところから名付けられたそうですよ。だから調布には、布田などの地名があるのですね。

お菓子の調布の姿は、下記リンク先でご覧ください
写真が無いので、失礼して京都・永楽屋さんのWebサイトへリンク張ります
http://shop.eirakuya.co.jp/ja/item/327/


若鮎の別名

鮎焼き、稚鮎、登り鮎、焼き鮎など


若鮎の販売時期

だいたい5月から7月頃まで。お店によっては8月まで販売しているところもあります。鮎漁のシーズンとほぼ同じです。


若鮎の種類

数種類あります
・調布タイプ
・干菓子の薄焼き煎餅タイプ
・最中タイプ

主流は調布タイプ。中は「求肥」と「あん入り」があります。

鮎の形、生地、サイズ、焼印はお店ごとに様々。どれも個性的で、各店舗の若鮎を食べ比べるのも面白いですよ。

私が食べてみたい鮎は、京都・京華堂利保さんの京あゆ。削ぎ種というもち米のお煎餅生地で、柚子の錦玉が挟まれているそうです。あ~なんと柚子…きっと爽やかな鮎なのでしょう。いつか食べたいです。

ちなみに、京華堂利保さんと言えば「しぐれ傘」。カステラ生地に羊羹が挟まれたもの。私は一保堂でいただきましたが、抹茶にあう美味しい和菓子です。週刊あんこ編集長によるしぐれ傘レポがありますので、ぜひご参考に

京都の粋「しぐれ傘」

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京都の粋「しぐれ傘」 - 週刊あんこ 京都の畏友が持ってきてくれた手土産は面白いものだった。 メディア仲間の懇親会でのこと。 いつものように「はい、これ」ポンと手渡すだけ。説明はない。 これが曲者で、...

以上です。

初夏を代表する「若鮎」。これからの季節にぴったりです。今年は若鮎、食べましょう!