7月の黒糖あんレッスンで作る「うば玉(烏羽玉)」
京都ではおなじみの和菓子。あん玉につや寒天や羊羹がコーティングされたもの。亀屋良長さんでは「烏羽玉」、仙太郎さんでは「老玉」と表記されていますね。
美味しくて、ひと口サイズで食べやすく、時々仙太郎さんの老玉を買って食べるのが楽しみの一つです。
うば玉、じつは京都だけの和菓子ではありません。北は青森、福島・白河、新潟、そして長崎・平戸にもあります。
どのように全国各地に伝わっていったのかは不明ですが、何とも興味深いお菓子の一つです。
そもそも烏羽玉とは何か?
じつは、ヒオウギという植物の種子のこと。種は真ん丸で黒く、それが烏の羽のように黒く艶光りしているところから烏羽玉と呼ばれたそうです。とても特徴的な形。ぜひネットで「ヒオウギの種」と検索してみてください。
さらに、ヒオウギは昔から厄除けの花。7月の京都・祇園祭の期間中は、玄関や床の間に飾られています。だから京都の方にはおなじみの花なのですね。
和菓子のうば玉も京都で生まれたのがよく分かりました。祇園祭を見に行かれたら、ぜひヒオウギを探してみてください。
日本各地のうば玉
京都以外のうば玉は、ややスタイルが異なります。
あん玉を求肥で包み、粉等をまぶしたもの。見た目は黒ではなく、白です。
江戸時代に紅谷志津磨さんが作り始めたのではないか、と言われています。京都の烏羽玉とは別物で、江戸から様々な経路を経て、日本全国に伝わったのでしょうね。
また、青森には全く別の「うばたま」があり、長芋を使った餅菓子。滋養のある長芋を使って作るので、乳母(うば)が食べるとよいところから、うばたまと名づけられたそうです。
7月のレッスンでは京都スタイルの「うば玉」を作ります。
中はこしあん、外は黒糖あんの羊羹をコーティング。
美味しい一品なので作ってみませんか。平日はまだ空席ありますので、ぜひ。