皆さまからお寄せいただいた、和菓子作りのお悩みとその回答を公開しております。
和菓子作りの参考にしていただけると幸いです。
今回のお悩みは圧力鍋を使った小豆の煮方です。
つぶあんのレッスンで時々ご質問いただくのが、
「あんを作る時に小豆を圧力鍋で炊いてもいいのか?」です
私は基本的に圧力鍋を使わず、鍋でゆでています。だから鍋がおすすめ
理由の一つが、圧力鍋は渋切り出来ないからです
小豆の皮には渋味成分(=タンニン)が含まれており、必ずあんを作る途中でゆでこぼして渋を切ります
しかも渋がとても渋いのですね。あんには必ず渋切りが必要です
しかし圧力鍋は途中で蓋を開けられません。そのため、渋切り出来ずに渋味をたっぷり含んだ小豆がゆであがります
だから渋切りできる鍋ゆでがおすすめなのです
一方、圧力鍋にもメリットがあります
それは短時間で皮まで柔らかく炊けること。鍋でゆでると、小豆が柔らかくなるまで最低1時間半ほどかかります
圧力鍋の時短は魅力的・・・
何とか圧力鍋で小豆をゆでて、美味しいあんを作れないか?
試行錯誤してみました。
<早速、圧力鍋で実験>
①小豆100gを洗い、圧力鍋へ。水も加えます(水の量は適当)

②蓋をして沸騰から弱火で12分間、低圧をかけました。


③蓋をあけます
渋味成分たっぷりの小豆がゆであがりました。色は小豆本来の美しい色のまま、そして皮まで柔らかくなっています


味はいかほどか?
かなりの渋さでした。和菓子に使うには難しいレベルの渋さです
しかしせっかく炊いた小豆をつぶあんに出来ないか・・・
と、料理酒を加えてみました。煮物も酒を入れると角が取れて、味に丸みが出ると言われていますので。
<料理酒を入れて、渋味調整>
別の鍋にゆでた小豆を入れ、砂糖50gも加え、途中で料理酒も適量を加え、煮詰めました。


<煮詰めた結果は・・・>
驚くほど渋み成分が薄くなりました
お酒の力は偉大。仕上がりはやや酒臭くなりましたが、酒の量を少なくすれば、結構美味しいあんが出来りそうです
<最後に>
圧力鍋は何と言っても時短が魅力。豆が柔らかくなるまで1時間以上かけるところを、わずか12分で炊きあがるのですよ
小豆をゆでるハードルが下がります
ただ圧力鍋は渋味が残るので、料理酒を入れて、味の調整が必要です。
自宅で手軽にあんを作って、甘さ控えめで食べたい方には、圧力鍋+酒方式をおすすめしたいです。
ぜひお試しください!