皆さまからお寄せいただいた和菓子作りへのご質問とその回答を公開しております。
今回のQAは「あんを作る際に、小豆は圧力鍋で炊いてもいいのでしょうか?」です
もちろん圧力鍋を使うことも出来ます。
しかし、基本は鍋ゆでです。
なぜ便利で時短の圧力鍋を使わず、時間がかかっても鍋でゆでるのでしょうか?
小豆はなぜ圧力鍋を使わず、鍋でゆでるのか?
理由の一つが、圧力鍋は渋切りが出来ないからです
小豆には渋い成分(=タンニン)が多く含まれ、あんを作る際はその渋を除く「渋切り」作業を行いますが、
鍋で時間をかけてゆでると、小豆から渋が湯に溶けだし、段々と渋が抜け、渋切りが行われます。
一方、圧力鍋は短時間。鍋ゆでほど渋が出ず、渋が残った状態になります。つまり渋切りができないのです
だから、小豆は圧力鍋ではなく、鍋でゆでる方が多いのだと思います。
そもそも絶対に渋切りしないといけないのか?
そこでふと疑問に思うのが、
「渋は絶対に取り除かなければならないのか?」
「渋味が好きならば、渋切りせずに、圧力鍋でゆでてもいいのでは?」
一般的にあん作りでは渋を切ります。
しかし、渋味が好きな方もいらっしゃいます。家で食べるのであれば、渋切りにこだわる必要もないかと。なぜなら自分好みのあんが一番美味しいですから。
渋味が気にならなければ、圧力鍋もおすすめ
圧力鍋の魅力は何と言っても、時短。
小豆を吸水後に圧力鍋でゆでると、時間はわずか15分程度。鍋ゆでの半分の時間ですよ・・・
ガス・電気など光熱費が値上がりする昨今、短時間はとても魅力的。特に夏、鍋ゆでは室温が上がり、冷房効率の悪いこと…圧力鍋ならその心配もありません。
そして、小豆の皮はとても柔らかくなります。鍋ゆででは出来ない柔らかさ。
これなら砂糖を入れてあんを作っても柔らかく仕上がります。
圧力鍋で小豆をゆでる方法
吸水・渋切り後、洗った小豆を圧力鍋に入れ、ひたひた量の水を加え、蓋を閉めます
火にかけ、沸騰し圧がかかったら弱火にします。豆が柔らかくなるまで13~15分間ゆでます
火を止め、圧が抜けるまで待ちます。
圧が抜けたら蓋をあけ、豆の柔らかさを確認。皮まで充分に柔らかくなったらザルにあけます
つぶあんを作る場合は、小豆と砂糖を鍋に入れ、あんに仕上げます
小豆の基本は鍋ゆで。でも圧力鍋も活用しながら、無理なく小豆を炊けるといいですね