東京の和菓子屋さんを訪ねる東京和菓子・あんこ散歩。毎回、テーマを決めて巡っています
今回のテーマはアートと和菓子。
美術や文学を鑑賞し、美味しい和菓子を食べてひと休み。
素敵なアートと美味しい和菓子を楽しむ一石二鳥な和菓子巡り、都内のおすすめ3か所をご紹介します。
まもなくゴールデンウィーク。連休中に首都圏にいらっしゃる方はぜひ出かけてみてくださいね!
◎山種美術館|Cafe椿の上生菓子
日本画専門の美術館。渋谷区広尾にあります
やまと絵や琳派、文人画に浮世絵、現代絵画まで幅広く日本画を所蔵。近現代の作品が中心です。日本画を鑑存分に鑑賞できる美術館は少ないので、日本画好きには貴重な存在。
展示スペースは地下にあり、ゆっくり見ても20分ほどで見られます。
先日、山種美術館を訪ねた時は特別展「富士と桜」が開催中でした。
富士山と桜をテーマにした絵画の展示。葛飾北斎や歌川広重の浮世絵、横山大観や千住博さんの現代画など、見ごたえたっぷりでした。
<おすすめ和菓子・喫茶>
美術館1階のCafe椿。ゆったりとお茶ができる素敵なカフェです。
こちらのカフェでは、特別展に合わせたオリジナルの上生菓子をいただけます。上生菓子は青山・菊家さん作。
今回は5種類の上生菓子があり、私は横山大観の「富士山」をテーマにした金団『朝の霊峰』をお抹茶と共にいただきました。
(おそらく練切りの)金団あんで大島あん(黒糖あん)を包み、富士山を羊羹で、朝日を錦玉羹で表現したもの。
美味しいのはもちろんのこと。美術作品を鑑賞した後に、お菓子で絵を再鑑賞できるのは面白いですね。2倍の楽しみ。上生菓子が”食べるアート”と言われるのがよくわかりました。
<山種美術館へのアクセス>
渋谷駅から徒歩約15分。渋谷駅からバスもあります。
お天気が良ければ、渋谷駅から歩くのがおすすめ。
東京国立博物館と桃林堂の小鯛焼き
トーハクの名でおなじみの上野の東京国立博物館。
本館をはじめ、平成館、法隆寺宝物館、東洋館など、広い敷地に各館が点在し、一年を通して様々な展示が行われています。
訪ねた時は「東福寺展」開催中。東福寺は紅葉の絶景でおなじみの京都の禅寺です。
寺宝を丸ごと展示する大展覧会で、開山の円爾(聖一国師)の頂相(ちんそう、肖像画のこと)や書画、五百羅漢図や像など、禅宗のアートが盛り沢山に展示されていました。
ちなみに円爾さんは和菓子と所縁のある方。
日本に饅頭を伝えた2人のうちの1人で、宋で学んだ酒まんじゅう作りを博多の茶屋に伝授したそう。その茶屋の看板が今でも虎屋さんに残されています。
見ごたえたっぷりな東福寺展。ぜひ見てみてください。おすすめです!
<おすすめ和菓子・喫茶>
東京国立博物館から徒歩7~8分のところにある、桃林堂さん。
上野の喧騒とは打って変わり、静かな落ち着いた雰囲気に佇むお店です。
桃林堂さんと言えば、小鯛焼き。手土産にも喜ばれる一品ですね。
桃林堂さんにはイートイン席が少しだけあり、お茶とお菓子をいただくことができます。お抹茶と小鯛焼き。美味しい組み合わせ。美術鑑賞で疲れた体を癒してくれますよ。
<東京国立博物館・桃林堂へのアクセス>
東京国立博物館は上野駅から徒歩5分。
桃林堂は、東京国立博物館から東京芸大方面に徒歩7~8分です
漱石山房記念館|カフェ・ソウセキ
夏目漱石の文学記念館。漱石さんが晩年暮らした早稲田の家の跡地にあります。
館内では漱石さんの書斎の復元や、小説の草稿などを展示。本棚もあり、漱石さんの本を自由に読むことができます
記念館の周囲には様々な植物が植えられ、芭蕉の木などもありました。都会のオアシスのような漱石記念館です。
<おすすめ和菓子・喫茶>
記念館の館内にあるカフェ・ソウセキ。
こちらではあの有名な銀座・空也さんの最中をいただくことができます。夏目漱石の「坊ちゃん」に空也餅が登場する縁で、メニューになったそうです。
空也の最中と言えば予約必須。気軽に購入できないので、カフェでお抹茶とともにいただけるのはうれしいですね。
<漱石房山記念館へのアクセス>
東京メトロ早稲田駅から徒歩8分ほどです