冬を彩る花、椿。
庭木や生垣の椿も、そろそろ咲き始める頃。
和菓子には、椿にちなんだお菓子があります。その名も「椿餅」
桜餅と同じ道明寺餅で、椿の葉で餅を挟んだもの。桜餅がピンク色なのに対して、椿餅は白色が多いです。
椿餅の歴史は古く、紫式部の源氏物語にも登場。物語中は「つばいもちい」と記述されています。
実際の椿餅の姿形は、源氏物語の注釈書「河海抄」に『椿の葉を合わせて餅の粉に甘葛をかけて包みたる物』とあります。
今はあんを包んだ餅菓子ですが、平安時代はあんは無かったので餅だけ。でも、形は今と同じようなものだったのでしょうね。
源氏物語と言えば、1000年以上前に書かれたもの。その当時の菓子が今も受け継がれているなんて驚きと言うか、奇跡。これから1000年先も残っているのでしょうか・・・
椿餅の作り方は、桜餅とほぼ同じ。道明寺粉があったら、ぜひ手作りしてみませんか。出来上がった椿餅を食べながら、平安の悠久の時に思いを馳せてみませんか。
<椿餅の作り方:3個分>
【材料】
・道明寺粉:30g
・砂糖:20g(今回は黒糖を使いました)
・水:45g
・あん:60g(つぶあん/こしあんどちらでもOK)
・椿の葉:6枚
①椿の葉を洗います
②鍋に道明寺粉、水、砂糖を加え、ホイッパーで混ぜます
③鍋を中火にかけ、混ぜながら、ぽってりとしたもち状にします
④沸騰した蒸し器にクッキングシートを敷き、その上にもちをのせます。10分蒸します
⑤蒸しあがった道明寺をボウルに入れ、ヘラで軽くこねます
⑥生地を3等分し丸め、あんも3等分し丸めておきます
⑦あんを包み、包み終わったら椿の葉で挟み、完成です