【和菓子巡り】奈良の和菓子屋さんと和菓子ゆかりの地を訪ねました

古の都、奈良。奈良は和菓子の宝庫。お隣の京都に比べやや情報少なめなのですが、魅力的なお店、歴史あるお店、そして和菓子ゆかりの地がたくさんあります。

和菓子を追究するならやはり奈良へも行かねば・・・と、和菓子屋さんとゆかりの地を訪ねました。4か所訪問しましたが、どこも近鉄奈良駅から徒歩圏内。2時間あれば充分に巡ることができます。

奈良に行ったら、ぜひ奈良の和菓子巡りへ

饅頭の神様を祀る、林神社へ

最初に訪れたのは林神社

饅頭の祖、林浄因(りんじょういん)さんを祀る神社です

饅頭の祖、林浄因さんとは?

14世紀に中国・宋から来た僧侶。中国から日本へ饅頭を伝え、奈良でまんじゅう作りを始めた方です。

林さんの子孫が京都へ移り住み、饅頭屋町で饅頭屋を営み、現在の東京・塩瀬総本家さんにもつながっているそうです。よ

塩瀬総本家さんと言えば、薯蕷の塩瀬まんじゅう。とても古くからある歴史あるお店だったのですね

林神社は漢国神社内にあります

林神社、じつは漢国(かんごう)神社の中にあります。

小さな社が立ち、鮮やかな朱色が目を引きます

漢国神社の歴史は古く、何と創建は飛鳥時代。飛鳥と言えば聖徳太子の時代ですよ、歴史ありますねー、さすが奈良。

林神社では毎年4月に饅頭まつりが開催され、全国からまんじゅうが奉納されるとのこと。

ぜひ奈良を訪れたら、林神社を訪ねてみてください

林神社への行き方

近鉄奈良駅から徒歩約5分のところにあります。商店街とは反対方向(JR奈良駅方面)へ進み、大通りから少し入ったところにあります

ちなみに林浄因さんは京都の菓祖神社にも祀られています。奈良まで行かれない…という方は京都でのお参りもいかがでしょうか

米飴や金平糖のある、砂糖傳増尾商店さんへ

続いて、1854年創業の砂糖屋さん砂糖傳増尾商店さんを訪ねました。

増尾商店さんは奈良町にあります。奈良町は江戸や明治時代の町家が残るエリア。うなぎの寝床のような奥に細長い町家があり、通りを歩くだけでも楽しい場所です。

増尾商店さんはその一角にあり、店舗は木造の幅広の建物。とても風情があって、素敵な佇まいです。

増尾商店さんでのおすすめは

増尾商店さんの店内には、和三盆やきび糖などの砂糖から、米飴、金平糖などがありました。

おすすめは金平糖。味は様々、珍しいものは大和茶や柿の葉味などもありましたよ。試食も出来るので、味見してから購入もできます。金平糖は日持ちするので、お土産に喜ばれますね

増尾商店さんへの行き方

近鉄奈良駅から徒歩10~15分ほどのところにあります

和菓子屋・甘味処:寧楽菓子司 中西与三郎さんへ

続いて、奈良町の一角にある中西与三郎さんを訪ねました。販売と喫茶の両方があります

中西与三郎さんのおすすめは

店舗は奥に長い町家作り。天井が高く、土間はギャラリースペースになっています

店内には昔の製餡機やせいろを展示。昔の製餡機を見るのは初めて。いつ使われていたのかは不明ですが、お店の創業が大正期なのでそれ以降のものかと思います。

上のハンドルを回すと重しが下がり、押しながら小豆の皮と中身(呉)を分けていたのではないでしょうか。格子状の部分は竹製。こしあん作りは大変だから、昔から道具を使っていたのですね。貴重な文化遺産です

喫茶では季節の甘味や抹茶と上生菓子セットなどがありました

ぶと饅頭の萬々堂通則(まんまんどうみちのり)さんへ

最後に訪れたのが、江戸時代創業の萬々堂通則さんです

萬々堂通則さんと言えば、ぶと饅頭が有名ですね

ぶと饅頭とは?

ぶと饅頭はあんドーナツのようなこしあん入りの揚げ菓子。

歴史は古く、奈良時代に遣唐使によって唐から伝わった唐菓子の一つで、今も春日大社の御祭礼にお供えされています。

萬々堂通則さんはテイクアウトのみなので、今回はぶと饅頭を購入して帰りました。

その他、干菓子の青丹よしをや東大寺二月堂のお水取りにちなんだ和菓子なども作られています。いつかお水取りを見に行く機会があったら、ぜひいただきたいと思います。

萬々堂通則さんへの行き方

近鉄奈良駅から徒歩5~6分の餅飯殿(もちいどの)商店街にあります

(”もちいどの”の名前も面白いですね)

奈良の和菓子巡りにおすすめ本

奈良の和菓子屋さんの情報収集は書籍「年がら年中饅頭祭」がおすすめ。

和菓子屋さんの紹介をはじめ、歴史や年中行事と和菓子の関係なども詳細に書かれています。

この本をもって、いざ奈良へ