和菓子にもトレハロース

「トレハロース」

お菓子の原材料としてよく聞きますが、甘味料なのか?添加物なのか?よく分かりませんでした

そこで、トレハロース調べてみました!

トレハロースとは?

トレハロースは、きのこや酵母などに含まれている天然の糖の一つ。二糖類なので、麦芽糖やショ糖、乳糖のグループになります

なめこやしいたけ、ビール、ひじきに豊富に含まれており、じつは日常的に食事から摂取しているのです

ちなみに乾物(干しシイタケやひじき)が水で戻るのも、トレハロースの働きが関わっているそうです

生物学的に、トレハロースは昆虫や植物のエネルギー源で(ほ乳類はブドウ糖がエネルギー源)、生命維持に欠かせない栄養素なのです

 

トレハロースの歴史

トレハロースが発見されたのが、1832年

そして、トレハロースの量産に成功したのが1994年。発見から162年後なのですね

そもそもトレハロースの抽出が困難で、大量生産が出来なかったそうです

量産に成功したのが、日本の(株)林原さん。でんぷんから酵素・微生物を使ってトレハロースを生産し、以降、トレハロースが商品名「トレハ」として販売されています

 

トレハロースをお菓子に用いる効果

なぜトレハロースは様々なお菓子に用いられているのでしょうか?

洋菓子、和菓子でそれぞれメリットがあり、今回は和菓子にフォーカスしてそのメリットを5つピックアップしました

①甘さを控え目にできる
トレハロースの甘さ、じつは砂糖の45%なのです。同じ量を摂取しても、トレハロースの方が甘さ控えめに感じます

砂糖の一部をトレハロースに置き換えることで、糖度を変えずに甘さを抑えることができるのです

お菓子にはある程度の糖度が無いと、出来ないものもあります

例えば、あんや羊羹、錦玉羹などは一定の糖度が必要なのです。しかし糖度が高いと当然ながら甘さは強くなるので、トレハロースを入れると、糖度を変えずに甘さを控えることが出来ます

②でんぷん老化抑制効果
トレハロースには、もちなどが固くなる「老化」を抑制する効果があります。

例えば大福にトレハロースを入れると、固くなるのが少し遅くなります。さらに、冷凍してももちの復元性がよいので、解凍しても美味しく食べられるそうです

③保水性
トレハロースは、生地の水分を保水する効果があります。特にまんじゅうはそのメリットが大きいですね。翌日まで柔らかく食べられます

さらに、もう一つのメリットがまんじゅうがきれいに膨らむこと。まんじゅうがふっくらと高く膨らんでくれます

④気泡安定性
メレンゲなどの泡立てを安定させる効果があります。和菓子の浮島や軽羹などにトレハロースを入れると、メレンゲが安定し、ふっくらと膨らんでくれます

⑤非着色性→褐変しにくい
白あんなどに用いると、色焼けしにくくなります

 

トレハロースの使い方

実際にトレハロースの使い方ですが、

レシピの砂糖を5~30%の範囲でトレハロースに置き換えます。

<置き換えの目安>

・あん:砂糖の10%
・求肥:砂糖の20%
・饅頭:砂糖の20%
・錦玉羹:砂糖の20%

トレハロースを入れすぎるとお菓子に粘りが出たり、多量接取するとお腹がゆるくなるデメリットもあります。使用量にはご注意ください。

 

今回トレハロースを調べ、実際に使用した感想は

「まんじゅうにトレハロースを入れると美味しい」

まんじゅうの膨らみがとても美しく、柔らかさをキープできることが分かりました。

下記の酒まんじゅうのレシピにて、トレハロースを使用しています。ぜひご参考にしてください

酒まんじゅうのレシピ